第四編 集落と人口

第一章 集落の分布と形態

第一節 概説

 身延町における行政上の区単位集落は49、戸数は2,730戸、人口は12,479人(昭和43年5月31日現在)である。これら戸数、人口がどんな形態をもって分布しているかを国土地理院発行の地形図で見ると、大部分の集落は、富士川・波木井川・身延川・相又川・大城川・早川等の各河川の流域に分布し、一部がこれ等河川に注ぐ小渓流の渓谷に分布している。図1参照

  これ等集落の分布を地理的に概観してみると、その水平分布では、最北端は下山地区の小原島で、北緯35度25分49秒・東経138度24分47秒6、最南端は大河内地区の下大島湯別当で、北緯35度18分42秒・東経138度27分31秒、最東端は大河内地区の椿草里で、東経138度29分7秒4・北緯35度22分14秒5、最西端は豊岡地区の大城で、東経138度24分8秒・北緯35度20分32秒4である。なお集落の形態は備えていないが、末法守護の七面大明神の鎮座する身延町の飛地七面山は、大城より更に西に位置し、東経138度21分0秒8、北緯35度22分25秒9である。
 以上のような水平分布に対し、垂直分布の状況を見ると、最高は海抜およそ1,700メートルの七面山敬慎院で、最低は海抜およそ160メートルの下大島新地である。今これを100メートルごとの分布別にしてみると次のようになる。
1,700メートル 七面山敬慎院
1,100メートル 身延山奥之院
 700メートル 大垈・三光堂
 600メートル 大崩上村・洗足
 500メートル 大崩下村・和田垈
 400メートル 椿草里・大城の一部・上粟倉
 300メートル 大石野・下粟倉・杉山・一里松・古屋敷・久遠寺・清住町・西塩沢の一部・東谷・西谷・小田船原の一部・大城・門野・湯平・相又上・横根沖村・大久保・大野北清子・相又下榎畑・和田針原・丸滝桜井・下八木沢の一部。
 200メートル 小原島・粟倉早川橋・下山地区・波木井西平・波木井神之平・塩沢の大部分・梅平1区・身延門前町・小田船原の大部分・相又下・相又上の一部・清子の大部分・光子沢の一部・横根の一部・上八木沢・下八木沢。
 100メートル 波木井2区・3区・梅平2区・大野・清子清水・光子沢の一部・上大島・下大島・和田米倉・平・角打・丸滝・塩之沢・帯金
 以上のような垂直分布を見ると、大部分の集落は、海抜400メートル未満に分布しており、気候的にも温和な温帯圏内に位しているといってよい。