第十四編 本町にある官公庁

第一章 総説

 本町におかれている官公庁は別表分布図に見られるように町行政の中心である町役場と交通の要衝である身延駅の回りにあつまっていて、あたかも峡南の行政センターの観を呈している。その種別も土木・厚生・経済・交通・通信・治安等多種多様、管轄の区域も町内に留(とど)まることなく隣町数ヵ町に及ぶ。由来このような中央庁の出先機関の駐留(りゅう)はこの地の僻(へき)遠性をもの語るとともに、本町が草深い峡南での中枢的要地であることの証左でもあろうか。更に、これらの官公庁の沿革をみるとそれはそのまま本町治政の発展の経過であって変動する世相の流れをその中に見出すことができる。
 本町の諸官公庁が現に果たしつつある行政的役割りと過去積み重ねてきた業績をさぐり、更にまた、将来中央庁と本町または峡南地域開発への橋渡し的使命を検討し、その存在の意義を明らかにしたい。