○身延町男女共同参画推進条例
(平成18年9月21日条例第30号)
目次

第1章 総則(第1条-第8条)
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第9条-第15条)
第3章 身延町男女共同参画推進委員会(第16条)
第4章 雑則(第17条)
附則

 日本国憲法は、すべての国民は、法の下に平等であって、基本的人権が保障されており、性別の違いによって差別されないとうたっている。
 また、国際連合が定めた女子差別撤廃条約の批准や、男女共同参画基本法、男女雇用機会均等法の制定など、男女平等の実現に向けてさまざまな取組が進められてきている。
 しかし、依然として性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく慣行が残っており、男女平等の実現には更なる努力が必要とされている。
 身延町では、「安らぎと 活力ある ひらかれたまち」を将来像に描き、男女が性別にかかわりなく、あらゆる活動に参画し、生き生きと生活できる社会を目指している。
 私たちは、豊かで充実した人生を送ることができるよう、男女共同参画社会を実現するために、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、町、町民及び事業者等の役割を明らかにするとともに、町の施策の基本的な事項を定め、これらの施策等を実施することにより、男女共同参画社会の実現を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべきことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) 町民 町内に居住する者及び勤務、通学するすべての個人をいう。
(4) 事業者等 町内において、営利非営利を問わず事業活動するすべての個人、法人をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次の理念に基づき推進されなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、直接的、間接的に性別による差別的取扱いを受けないこと、個人として能力を発揮できる機会が確保されること、その他の男女の人権が尊重されること。
(2) 社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会におけるあらゆる分野の活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことがないよう配慮すること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、町における施策及び民間の団体における方針の立案及び決定に対して共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における家族の一員としての役割を果たし、かつ、家庭以外のあらゆる分野において活動を行うことができるよう配慮されること。
(5) 男女共同参画の推進が、国際社会における取り組みと協調して行われること。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、実施しなければならない。
2 町は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するにあたり、町民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携し、協力しなければならない。
3 町は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講じなければならない。
(町民の責務)
第5条 町民は、男女共同参画に関する理解を深め、男女共同参画の推進に努めるとともに、町が行う男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 町民は、職場、学校、地域、家庭等社会のあらゆる分野において、男女が互いに人格を尊重し、性別にとらわれることなく役割分担及び協力しなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、その事業活動に関し、男女共同参画の推進に努めるとともに、町が行う男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
2 事業者は、その被雇用者が仕事と家庭生活及び地域活動を両立して行うことができるよう労働環境の整備に努めなければならない。
3 事業者は、育児や介護等を理由に退職した者の再雇用に積極的に努めなければならない。
(教育に携わる者の責務)
第7条 学校教育及びその他のあらゆる教育に携わる者は、男女共同参画社会の形成における教育の重要性について理解を深め、基本理念に配慮した教育を行うよう努めなければならない。
(性別による差別的取扱の禁止)
第8条 すべての人は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、性別を理由とする差別的取扱いをしてはならない。
2 すべての人は、配偶者等に対する暴力、性的な言動によって相手方に身体的又は精神的苦痛を与える行為を行ってはならない。
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策
(基本計画)
第9条 町長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 町長は、基本計画を策定するに当たっては、町民の意見を反映できるよう適切な措置を講じなければならない。
3 町長は、基本計画を策定したときは、これを公表しなければならない。
4 町長は、社会情勢の変化に対応するため、必要に応じて計画を見直さなければならない。
(推進体制)
第10条 町は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための推進体制を整備しなければならない。
(活動支援)
第11条 町は、町民や事業者及び教育に携わる者等が行う活動において、男女共同参画が推進されるよう情報の提供その他必要な支援を行わなければならない。
(調査研究)
第12条 町は、男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施していくため、必要な調査研究を行うよう努めなければならない。
2 町長は、必要があると認める場合には、町民、事業者及び教育に携わる者等に対し男女共同参画の状況に関する調査について協力を求めることができる。
(広報活動)
第13条 町は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に関する町民等の理解を深めるよう適切な情報提供、広報活動等を行わなければならない。
(推進状況の公表)
第14条 町長は、毎年度、男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について、公表しなければならない。
(相談への対応)
第15条 町は、性別による差別や人権侵害等に関する町民の相談や苦情に対しては、迅速に県等関係機関と連携を取り、適切な指導、助言を行うとともに、必要な支援を行うよう努めなければならない。
第3章 身延町男女共同参画推進委員会
(推進委員会の設置)
第16条 町は、男女共同参画に関する基本計画に基づく施策を総合的かつ計画的に推進するため、身延町男女共同参画推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、町の基本計画に基づき推進活動を行う。
3 委員会は、町長に、男女共同参画に関する施策について意見を述べることができる。
4 委員会は、委員20人以内で組織する。
5 委員は、町民のうちから町長が委嘱する。
6 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
第4章 雑則
(委任)
第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。