○身延町議会基本条例
(令和元年9月20日条例第12号) |
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目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会・委員会・議員の活動原則(第3条-第6条)
第3章 町民と議会との関係(第7条-第9条)
第4章 議会と町長等との関係(第10条-第12条)
第5章 自由討議の拡大(第13条)
第6章 議会改革の推進(第14条)
第7章 議会・議会事務局の体制整備(第15条-第19条)
第8章 議員の災害対応(第20条・第21条)
第9章 最高規範性(第22条)
附則
議会は、二元代表制の一方の担い手として、町長とともに町民の負託により選出された町民の代表である。議会は、町民福祉の向上実現のために、行政と切磋琢磨して重要な意思決定を行い、議決責任を負っている。地方分権の時代にあって、地方公共団体の自主的な決定と責任の範囲が拡大している。
身延町議会は、町民の意思を反映した、町民に分かりやすい議会を目指すとともに、行政に対する議会の果たすべき責務を明らかにし、議員間の自由で活発な討議を通じて、町民の負託に全力でこたえていくことを決意し、町民に信頼され、存在感のある議会となるため議会基本条例を制定する。
身延町議会は、町民の意思を反映した、町民に分かりやすい議会を目指すとともに、行政に対する議会の果たすべき責務を明らかにし、議員間の自由で活発な討議を通じて、町民の負託に全力でこたえていくことを決意し、町民に信頼され、存在感のある議会となるため議会基本条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会の基本理念及び議員等の活動原則並びに議会と町民及び町長との関係その他の基本的な事項を定めることにより、議会活性化及び議員活動の充実を図り、もって町民福祉の向上及び「住みよい町づくり」に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、常に町民に対する議決責任及び説明責任を果たし、町民から信頼され存在感のある議会とするため、不断の努力を貫く。
2 議会は、「町民に開かれた議会」、「町長と切磋琢磨する議会」、「自由で活発な議論が展開される議会」、「政策提言のできる議会」及び「町民の声を行政に反映する議会」を目指す。
第2章 議会・委員会・議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は、町民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじ、町民に開かれた議会を目指す。
2 議会は、町民との交流の中で、その多様な意見を的確に把握し、議会活動に反映させなければならない。
(委員会の活動原則)
第4条 議会は、身延町議会委員会条例(平成16年身延町条例第197号)に規定する常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)を設置し、審査するときは、町政課題に迅速に対応するため、議会閉会中においても必要に応じ、所管事務等の調査を行い、当該委員会の機能を十分発揮するよう努める。
2 委員長は、委員相互の討議を重視し、町民に対し分かりやすい議論に努めるとともに、資料及び審査経過等の説明を行う。
(議員の活動原則)
第5条 議員は、議会が合議制の機関であり、言論の府であることを認識して、議員相互の自由な討議を重んずる。
2 議員は、町政全般について、課題別又は地域別に町民の意見を的確に把握することに努める。
3 議員は、町民の負託に応えるため、自己研鑚に努め、政策形成能力を高めなければならない。
4 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指し、活動しなければならない。
(議決責任)
第6条 議会及び議員は、議案に対する審議を十分に尽くし、議決したときは、町民に対する議決責任を果たさなければならない。
第3章 町民と議会との関係
(町民との関係)
第7条 議会は、活動に関する情報の公開を徹底し、町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、重要な議案に対する各議員の意思を議会広報等で公表し、議員に対する町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努める。
3 議会は、町民と議会との交流を深め、及び連携を強めるため、多様な形態の「町民と議員との懇談会(議会報告会)」を開催し、広く町民の意見を聴取し、議会活動に反映させる。
(請願者、陳情者の意見陳述)
第8条 議会は、町民から請願及び陳情が提出されたときは、その権利を十分に尊重するため、委員会において、請願や陳情内容の理解を深めるうえで必要がある場合に意見陳述の機会を設けることができる。
(会議等の公開)
第9条 議会は、本会議、常任委員会及び全員協議会を原則として公開し、町民が傍聴しやすい環境の整備に努める。
第4章 議会と町長等との関係
(町長等との関係)
第10条 議会は、町長と互いに緊張関係を維持しながら、議事機関としての役割を果たす。
2 議長から本会議、委員会及び全員協議会への出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て議員の質問及び質疑に対し、論点を分かりやすくするため、質問の趣旨、内容確認、背景及び根拠について問うことができる。
3 一般質問は事前に通告し、町長は通告制の趣旨を重んじ、質問議員に対して事前に答弁書を提出するものとし、一問一答方式で行う。
4 3月定例会においての町長の所信表明について、当該日の通告により、一般質問の中で取り上げることができる。
5 町長の指揮下にある審議会等への委員としての議員参加は、全員協議会で協議する。
(議会への政策等提案の説明)
第11条 議会は、町長が提案する政策について、その政策水準を高めるため、町長に対し次に掲げる事項について明らかにするよう求める。
(1) 政策を必要とする原因又は背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 関係法令及び条例等
(4) 総合計画との整合性
(5) 政策等の実施に係る財源措置
(6) 将来にわたる費用負担及びその効果
(7) その他重要な事項
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するにあたっては、立案、決定、執行における論点、争点を明らかにし、執行後における政策評価に資する審議に努める。
(予算、決算における政策説明資料の提出)
第12条 議会は、予算、決算の審議にあたり、町長に施策別、事業別の政策説明資料を提出するよう求める。
第5章 自由討議の拡大
(自由討議による合意形成)
第13条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議長は町長等に対する会議への出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の討議を重視し、運営しなければならない。
2 議会は、本会議、委員会及び全員協議会において、議員提出議案、町長提出議案及び請願、陳情等に関して審議するときは、議員相互間の自由闊達な討議により、議論を尽くして町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
3 議員は、議員相互間の自由討議を拡大するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うように努める。
第6章 議会改革の推進
(議会改革の推進)
第14条 議会は、議会改革を積極的に推進し、この条例の目的達成に関し、議会運営委員会及び全員協議会において検証する。
2 前項の検証の結果、制度の改善が必要と判断した場合は、適切な措置を速やかに講じる。
3 議会は、この条例を改正する場合は、本会議において改正の理由等を説明する。
4 議会は、議会改革を系統的に推進するため、全国の先進議会への視察、交流等に積極的に取り組む。
第7章 議会・議会事務局の体制整備
(議会事務局の体制整備)
第15条 議会は、議会及び議員の政策形成並びに立案機能の向上を図り、議会事務局の調査・法務機能の充実のため、議会事務局の体制整備に努める。
2 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書の充実に努める。
(議員研修の充実強化)
第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化に努めなければならない。
(参考人・公聴会制度の活用)
第17条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2の規定による専門的知見の活用を行うとともに、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用し、政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努める。
(議会広報の充実)
第18条 議会は、町政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努める。
2 議会は、町民が議会における決定の過程及び結果に関する情報を入手することができるよう議会広報を発行し、並びにインターネットの利用その他の方法により広報活動の充実に努める。
(議員倫理)
第19条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって町民の疑惑を招き、議会の権威と信頼を傷つけないよう行動しなければならない。
2 議員は、前項に反して社会的、道義的な批判を招き、告発、逮捕、起訴等の刑事訴追を受けるに至ったときは、議員倫理に照らして自ら速やかに責任を取らなければならない。
第8章 議員の災害対応
(災害時の体制の整備)
第20条 議会は、大規模災害時(町が災害対策本部を設置した場合に限る。以下同じ。)の緊急の事態から町民の生命、身体及び財産並びに生活の平穏を守るとともに、緊急時においては、総合的かつ機動的に活動できるよう、町長と協議し、危機管理体制の整備に努める。
(災害時の議員の役割)
第21条 議員は、大規模災害時の緊急事態が発生したときは、議長に自らの安否及び所在を明らかにするため連絡する。
2 議員は、大規模災害時の緊急事態が発生したときは、地域における被災者の安全確保、避難所への誘導又は避難所に対する支援を行うなど、自主防災責任者に協力し地域の一員として共助の取り組みが円滑に行われるよう努める。
第9章 最高規範性
(条例の位置付け)
第22条 この条例は、議会運営の最高規範であり、議会に関する条例、規則、規定等もこの条例の理念に従うものでなければならない。
附 則
この条例は、令和元年10月1日から施行する。