第五節 水系

 本町の中央部を富士川がほぼ南北方向に流れ川幅が広く、早川との合流点は約1,000メートルの川幅をもっている。この富士川は数多くの川や沢が東西の方向に流路をとり流れこんでいる。
 早川は、本町と中富町を境に東西方向に流路を向けている。
 波木井川は、その流路を東西にとり、総門付近で身延川を合せ、更に上流2キロメートルの地点で大城川、相又川が合流し、全長約4キロメートルの長さをもっている。
 身延川は、身延山、鷹取山に囲まれた一帯を水源とし、2.8キロメートルの全長を持ち断層谷として発達している。上流付近は勾配も急でV字形をした渓谷で、径50センチメートルないし1メートルにもおよぶ礫岩などが横たわり、浸食作用や運搬作用が激しいことを示している。
 大城川は大城口で礫岩を横ぎり、波木井川の支流として南西の方向に約8.3キロメートルの流路をもっている。源は古谷城から上流安倍峠や1,000〜2,000メートルの高い山なみのふところを激しく浸食、運搬作用をおこなっている。大城川流域にも河岸段丘が各所にみられ、農耕地・住居地として利用されている。上流付近は最近道路開発が進んでいるが反面崩壊がいちじるしく、土砂の堆積がはげしく、その対策が考えられなければ下流への影響は大きい。
 相又川は大城口よりさらに南に、ほぼ断層線にそって流れている断層谷で、榧の木トンネル付近で流路を南西に変え、形山層を横断し、瀬戸川層を水源として深い谷を刻んでいる。
 富士川東部山地を流れる河川は、御持川や桑柄沢の他は大小十数条の渓谷が礫岩や頁岩、砂岩を主体とした岩層を東西の方向に横断し富士川にそそいでいる。
 塩之沢にそそぐ御持川は、大垈川と椿川とにわかれ上流に大垈部落や椿草里部落があり、全長約6キロメートルの流路をもっている。角打にそそぐ桑柄沢は、約4.4キロメートルの全長をもち、上流に大崩部落がある。その東部の五宗山や三石山など1,000メートル以上の山なみを源とし、流路を西にとり、礫岩層を横断し、谷は深く岩相は浸食の激しさを物語る景観を示している。
 町内の河川、沢は大小数多くあり、いろいろの呼び名があって、地域の人にも一様には呼ばれていないし、場所によりその地名などが使われ呼び名も異っているようである。