第四節 気象俚言

 日本の気象は変りやすく、また、災害が多いので、昔から気象に関することわざが多く生活の身辺から生れている。然し、これらの気象の俚言も気象観測や、通報の発達とともに、人々に忘れ去られるものが多くなっているのが現状である。
 本町の気象俚言にはどのようなものがあるのだろうか。4地区の中学生徒の調査したものをあげてみると共通したものが数多い。
 ○ 太陽がかさをかぶると雨がふる。
 ○ 虹が川をまたげば雨がふる。
 ○ 朝虹はその日の大洪水。
 ○ 朝立雨と女の腕まくりはおどろくな。
 ○ 池で鯉がはねると雨が近い。
 ○ 奥の院に雲がかかると雨が降る。
 ○ 雨降りに奥の院にきりがかかると大雨はない。
 ○ 大城雨のみのいらず。
 ○ 山が近くに見えると雨がふる。
 ○ 大垈の山が曇ると雨がふる。
 ○ 七面山に横雲がかかると雨。
 ○ 北清子の山になごがかかれば雨。
 ○ 猫の手が耳を越すと雨がふる。
 ○ 奥の院の太鼓の音が下山に聞えると雨。
 ○ 朝鳩その日の大洪水、夕鳩あしたの大日照り。
 ○ 川の水がさが少なくなると雨が近い。
 ○ 沢のかにがおかに上ると大雨になる。
 ○ 朝やけがすると雨が近い。
 ○ くもや、はちの巣が低いと台風が多い。
 ○ 夜あがりは3日もたぬ。
 ○ 四つ(10時頃)の地震は日照り。
 ○ 六つ(朝5時頃)の地震は大風。
 ○ 八つ半(3時〜4時)の地震は雨。