第四節 彫刻
下山大工には彫刻の名手も数多くあったが、現存している彫刻物から見て先づ第一に指を屈するのは、石川久左衛門の下山本国寺のお厨子、石川七郎左衛門の下山南松院の武田門の額「正福山」下山龍雲寺所蔵の唐獅子等からその手腕の程がうかがわれる。また下山新町の青木文蔵の横根八幡宮のお厨子の彫刻、それに小沢一仙にゆかりのある小沢半兵衛の清住町清正公堂向拝の木鼻等も逸品のほまれが高い。
日法上人も久遠寺の日蓮聖人坐像、鏡円坊の日蓮聖人像等優れた作品を残されている。
なお、近頃の人で仏像彫刻師として、小松光重は東京の生まれであるが、本山関係の彫刻に専念し、昭和42年死亡した。
池上祐太郎、池上延次、原田喜孝、佐野直治等、その作品は身延に多く現存している。
  
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