三、身延町心配ごと相談所
身延町心配ごと相談所は、規約第1条に示されているように、主として低所得者に対しその生活のあらゆる心配ごとの相談に応じ、社会資源を効果的に活用して適切な助言指導を行ない、その福祉を図るため、昭和38年9月14日身延町社会福祉協議会の運営により身延町役場内に設置された。
規則によれば、業務として定例相談(毎週金曜日の午後1時から4時まで)、巡回相談(毎月1回町内公共施設社寺等で実施)を行なう。相談所には相談員10名(任期1年)協力員若干名(関係公務員中から会長委嘱)があり、無料で相談に応じ関係機関に連絡紹介し、問題の適確な解決に努め、正当な理由なくして秘密を漏らすことのないようにする。
また、心配ごと相談所運営要領が定められ、設置場所として利用者が気軽に利用できる施設であること、相談に使用する部屋は、利用者の心身に及ぼす影響を考えて選定すること、内容を気がねなく述べられるよう設備調度に細心の注意を払い、外部から見られないこと、他人に聴取されることのないようにすること、相談に当たり懇切丁寧に応じ、円満解決が得られるよう努めなければならないこと、事業成績書の提出方法、その他備え付け帳簿にいたるまで細かく定めている。
右のような内容をもって相談所は開設され、今日に至るまで多くの心配ごとの相談に応じ問題解決に努め、明るい町づくりのため多大の成果を収めている。
昭和43年度事業実績ならびに44年度予算は次のとおりである。
昭和43年度心配ごと相談所事業実績 |
相談員 |
13名(民生委員 9名、他 4名) |
職員 |
1 名(専任 名、兼任 1名) |
開催日数 |
51日(定例相談 51名、巡回相談 日) |
出席相談員延人数 |
81人(定例相談 81人、巡回相談 人) |
|
1生活苦の相談 |
2生活改善 |
3仕事の相談
(借入、資金借入れを含む) |
4住宅の相談 |
5健康の相談
(医療費借入れを含む) |
6家族計画
(優生保護を含む) |
7家庭不和 |
8結婚相談 |
9児童福祉
(健全育成、問題児対策) |
取扱実件数 |
2 |
|
8 |
4 |
3 |
|
2 |
|
5 |
取扱延件数 |
2 |
|
8 |
4 |
3 |
|
4 |
|
6 |
処理状況
(実件数) |
相談所内で解決したもの |
1 |
|
5 |
1 |
2 |
|
1 |
|
6 |
他の機関を紹介したもの |
|
|
1 |
|
1 |
|
|
|
|
継続指導で解決したもの |
|
|
|
|
|
|
1 |
|
|
継続指導中のもの |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
10教育相談 |
11青少年問題 |
12精神衛生相談
(成人精薄、性格異常) |
13更生保護 |
14法律相談 |
15人権問題
(人身売買を含む) |
16苦情相談 |
17出稼の問題 |
18老人問題 |
19交通事故問題 |
20その他 |
合計 |
取扱実件数 |
|
|
|
|
|
1 |
1 |
|
|
|
12 |
38 |
取扱延件数 |
|
|
|
|
|
1 |
1 |
|
|
|
14 |
43 |
処理状況
(実件数) |
相談所内で解決したもの |
|
|
|
|
|
|
1 |
|
|
|
6 |
23 |
他の機関を紹介したもの |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1 |
3 |
継続指導で解決したもの |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1 |
2 |
継続指導中のもの |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
3 |
3 |
|
身延町心配ごと相談所 相談月割表 |
自44.5月〜至45.3月 |
番号 |
職名 |
相談員氏名 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
1 |
相談員 |
池上愛子 |
|
|
|
|
|
|
|
8 |
|
|
|
|
7 |
|
|
|
|
|
6 |
|
|
|
|
|
2 |
相談員 |
望月富恵 |
23 |
|
|
|
|
|
|
15 |
|
|
|
|
14 |
|
|
|
|
|
13 |
|
|
|
|
|
3 |
相談員 |
松木四郎 |
30 |
|
|
|
|
|
|
22 |
|
|
|
|
21 |
|
|
|
|
|
20 |
|
|
|
|
|
4 |
相談員 |
藤田政一 |
|
|
6 |
|
|
|
|
29 |
|
|
|
|
28 |
|
|
|
|
|
27 |
|
|
|
|
|
5 |
相談員 |
一宮市松 |
|
|
13 |
|
|
|
|
|
|
5 |
|
|
|
|
5 |
|
|
|
|
|
6 |
|
|
|
6 |
相談員 |
日吉松子 |
|
|
20 |
|
|
|
|
|
|
12 |
|
|
|
|
12 |
|
|
|
|
|
13 |
|
|
|
7 |
相談員 |
市川吾七 |
|
|
27 |
|
|
|
|
|
|
19 |
|
|
|
|
19 |
|
|
|
|
|
20 |
|
|
|
8 |
相談員 |
市川正美 |
|
|
|
|
4 |
|
|
|
|
26 |
|
|
|
|
26 |
|
|
|
|
|
27 |
|
|
|
9 |
相談員 |
市川喜美子 |
|
|
|
|
11 |
|
|
|
|
|
|
3 |
|
|
|
|
9 |
|
|
|
|
|
|
|
10 |
相談員 |
佐野里見 |
|
|
|
|
18 |
|
|
|
|
|
|
17 |
|
|
|
|
16 |
|
|
|
|
|
|
|
11 |
相談員 |
千頭和利作 |
|
|
|
|
25 |
|
|
|
|
|
|
24 |
|
|
|
|
23 |
|
|
|
|
|
|
|
12 |
相談員 |
坂口起一 |
|
|
|
|
|
|
1 |
|
|
|
|
31 |
|
|
|
|
30 |
|
|
|
|
|
|
|
13 |
常任 |
鮎川太郎 |
心配ごと相談日は(上記)毎週金曜日午後1時〜4時まで |
14 |
所長 |
長谷川寛慶 |
|
四、身延町福祉(たすけあい)金庫
この金庫は身延町社会福祉協議会が運営するもので、基金100,000円を以って昭和34年町内の生活困窮世帯に対し世帯更正運動の一助として無利子で資金の貸付けをおこなうことにより、経済的自立更正を図ることを目的として設けられた。
規約によれば貸付け対象は一口10,000円、町内に6ヵ月以上居住し引続き居住の意志のある者、償還が確実であると認められるもので現に生計維持困難なるものとなっている。
資金貸付の種類は事業を継続するための資金、生活を維持するために必要な資金、住宅の補修に必要な資金、医療に必要な資金、扶養する児童の修学または就職に必要な資金の5種類で保証人2人(民生委員1人)を必要とする。償還は月賦、一時払いとし貸付期間は6ヵ月、金庫の財源として社協一般会計より毎年10,000円、34年度に限り20,000円を支出することに定められた。
また付則として生活保護費等公金支給により財源の確定しているものについては、保証人を要しない旨定められている。
以上の要領でたすけあい金庫は運営され世帯更生のために活用されている。
昭和43年度の貸付けは9件で、125,000円が生活を維持するために必要な資金として貸し付けられた。昭和43年度への繰越し金は97,700円で、75,200円が償還された。
五、世帯更生資金貸付制度
この制度は昭和36年4月6日制定され、低所得世帯に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行なうことにより、その経済的自立と生活意欲の助長促進を図り、安定した生活を営ませることを目的としている。
貸付対象は、(1)低所得世帯であること。(2)他の融資を受けることができないものであること。(3)自立更生の見込みのある者であること。以上3条件の全部をみたす者とされている。(1)については原則として生活保護法の適用をうけている者は除かれている。ただしその世帯の自立更生上必要と認められる時は更生資金、住宅資金、修学資金、災害援護資金については貸付けの対象となる。また身体障害者更生資金については、低所得者でなくてもよく、身体障害者福祉法により身体障害者の手帳を交付された身体障害者の世帯一般が対象とされている。(2)については母子福祉資金、国民金融公庫の更生資金など他の類似の公的な資金を借りている者、または借りることのできる者は除外される。(3)については被保護階層への転落防止や自立更生のため単に低利資金の貸付ということにとどまらず、民生委員や行政機関の指導が望まれている。実施主体は社会福祉協議会であって、貸付資金の種類は次の7種類がある。
1、更生資金
ア、 |
生業費、自立更生のための事業拡張や新規事業を行なったりするための必要経費 |
イ、 |
支度費、就職に必要な支度金 |
ウ、 |
技能習得、生業を営なみ、または就職するために必要な知識、技能を習得するための必要経費 |
2、身体障害者更生資金
ア、 |
身体障害者更生資金 |
イ、 |
身体障害者支度費 |
ウ、 |
身体障害者技能習得費 |
3、生活資金
ア、 |
生活費1・2の技能習得費貸付けをうけている期間中、または療養資金の貸付けをうけている期間中の生活費 |
イ、 |
出産費 |
ウ、 |
葬祭費 |
4、住宅資金
ア、 |
改修費、住宅増改築補修のための必要経費 |
イ、 |
転宅費、住居移転のための住宅賃借の必要経費 |
5、修学資金
ア、 |
修学費、学校教育法による高等学校・盲学校・ろう学校または養護学校の高等部就学のための必要経費 |
イ、 |
就学支度金、右入学のための必要経費 |
6、療養資金
1年以内の負傷または、疾病の療養に必要な経費
7、災害援護資金
災害による困窮から自立するための必要経費
貸付の条件は別表のとおり種別により貸付限度額、据置期間、償還期限を異にしている。
貸付利子は年3分で、修学資金は無利子。ただし据置期間中、または申請により認められた償還猶予中は無利子である。
本町における昭和43年度利用状況は、貸付総額235万円、利用件数19件で、内訳は世帯更生資金2、生業資金8、改築資金3、住宅資金3、療養資金3、である。
六、国民年金制度
官公庁や会社に勤務する人たちには、厚生年金や共済組合などの年金制度があって老後の生活保障という点から魅力ある制度であるが、農林漁業、自由業、自営業の人たちには年金制度がなく、こういう人たちの老後の生活保障のために、昭和36年から国民年金制度が実施された。
国民年金制度は保険方式の拠出年金を基本とし、公の扶助年金が補足している。拠出年金は法律で定められた一定範囲の人が被保険者となり、定額の保険料を納入し、老齢・障害・死亡に対しての年金の給付をうける。福祉年金は被保険者になれない人のため保険料の納入なしに老齢・障害・母子・準母子に対して年金が給付される。
被保険者には強制加入と任意加入の2通りがある。
(一)強制被保険者
日本国内に住む20歳〜60歳までの日本国民は、厚生年金保険などの年金制度の加入者、その制度から年金をうけている人または配偶者、昼間部の大学高校生を除くすべてが被保険者となり、町役場に資格取得の届け出をする。
(二)任意加入被保険者
強制被保険者になれない厚生年金保険などの年金制度加入者は、国民年金と同等以上の年金を給付されるので国民年金加入の必要はないが、配偶者やその制度から年金を受けている人などで保障が不十分であったり、保障のない部分に対し不足分を希望して年金で補なうことができる。役場に加入の申出をすればよい。
(三)保険料
被保険者は被保険者である間は20歳〜34歳まで月250円、35歳から59歳まで月300円納入しなければならない。なお生活扶助を受けている者や、保険料を納めることが困難と認められる者は申請により免除される。
(四)国庫負担金
拠出年金事業の事務費および福祉年金事業の給付に必要な費用、およびそれに必要な事務費はすべて国庫負担となる。国は加入者の納める保険料の半額を負担し、納入義務免除者については、保険料の半額を国庫で負担し、その代り給付が減額される。
(五)拠出年金の給付
ア、 |
老齢年金、保険料を納めた期間または保険料納付義務を免除された期間を合算して25年以上のもの65歳より開始(希望したときは60歳より) |
イ、 |
通算老齢年金、他の公的年金制度に加入した期間と合算して25年以上のもの。65歳より開始(希望したときは60歳より) |
ウ、 |
障害年金、保険料を納付した期間が1年以上ある障害者 |
エ、 |
母子年金、夫が死亡したため母子世帯となった未亡人(1年以上保険料納付の者) |
オ、 |
準母子年金、夫・息子・父・祖父が死亡したため準母子世帯となった祖父や姉 |
カ、 |
遺児年金、保険料を納付した期間が1年以上ある両親と死別した子 |
キ、 |
寡婦年金、老齢年金を受ける要件を満たし夫と死別した妻(10年以上連れ添った者に限る。) |
ク、 |
死亡一時金、保険料を納付した期間が3年以上ある被保険者の遺族(年金が受けられない者に限る) |
(六)福祉年金
拠出年金の被保険者になれない人のための給付である。
ア、 |
老齢福祉年金、70歳以上の者 |
イ、 |
障害福祉年金、1級障害者 |
ウ、 |
母子福祉年金、死別母子世帯の母 |
エ、 |
準母子福祉年金、準母子世帯の祖母・子・母子福祉年金と同様母と姉、 |
以上が国民年金制度のあらましであるが、本町における実施状況は別表のとおりである。
表4 身延町国民年金事業概況 |
種別
年別 |
国民年金加入状況 |
保険料納入状況 |
検認額
合計 |
保険料 免除状況 |
拠出制国民年金受給状況 |
強制
加入者 |
任意
加入者 |
被保険者
合計 |
検認対象
月数 |
検認取扱
月数 |
保険料
納付
検認率 |
法定
免除者 |
申請
免除者 |
母子年金 |
遺児年金 |
死亡一時金 |
各種年金
受給額 |
件数 |
金額 |
件数 |
金額 |
件数 |
金額 |
件数 |
金額 |
昭和
36 |
人
2,343 |
人
427 |
人
2,770 |
|
円
22,680 |
%
71.4 |
円
2,911,550 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
37 |
2,662 |
464 |
3,126 |
33,321 |
23,158 |
69.8 |
3,014,810 |
58 |
30 |
|
|
|
|
|
|
|
|
38 |
|
|
2,792 |
31,195 |
26,135 |
84.4 |
3,460,750 |
72 |
90 |
2 |
57,600 |
|
|
|
|
2 |
57,600 |
39 |
2,354 |
377 |
2,731 |
30,310 |
28,292 |
93.3 |
3,769,070 |
64 |
101 |
4 |
115,200 |
|
|
4 |
20,000 |
8 |
135,200 |
40 |
2,478 |
390 |
2,868 |
30,760 |
28,405 |
92.3 |
3,802,700 |
63 |
130 |
7 |
187,200 |
3 |
28,800 |
6 |
30,000 |
16 |
246,000 |
41 |
2,519 |
416 |
2,935 |
30,433 |
28,914 |
95.0 |
4,633,850 |
132 |
198 |
9 |
549,600 |
5 |
99,600 |
10 |
64,000 |
24 |
713,200 |
42 |
2,610 |
453 |
3,063 |
32,506 |
31,261 |
96.2 |
6,758,000 |
136 |
127 |
14 |
859,200 |
5 |
99,600 |
6 |
42,000 |
25 |
1,000,800 |
43 |
2,468 |
501 |
2,969 |
31,571 |
30,870 |
98.1 |
7,557,100 |
134 |
144 |
19 |
1,149,600 |
2 |
34,800 |
14 |
96,000 |
35 |
1,280,400 |
|
(注・障害年金は受給者がないので略す) |
表5 身延町福祉年金受給状況 |
年別 |
老齢福祉年金 |
障害福祉年金 |
母子及び
準母子福祉年金 |
各種年金合計 |
全部支給 |
一部支給 |
全部支給停止者 |
人員 |
金額 |
人員 |
金額 |
人員 |
金額 |
人員 |
金額 |
人員 |
金額 |
人員 |
金額 |
昭和
38 |
398 |
5,253,600 |
104 |
1,040,647 |
59 |
|
60 |
1,296,000 |
46 |
854,195 |
667 |
8,444,342 |
39 |
388 |
5,121,600 |
129 |
1,201,467 |
32 |
|
61 |
1,317,600 |
41 |
718,595 |
651 |
8,359,262 |
40 |
389 |
6,068,400 |
146 |
1,657,959 |
48 |
|
68 |
1,567,191 |
34 |
667,130 |
685 |
9,960,680 |
41 |
412 |
7,416,000 |
175 |
2,219,868 |
59 |
|
69 |
1,723,191 |
24 |
481,552 |
739 |
11,840,611 |
42 |
416 |
7,987,200 |
194 |
2,685,126 |
57 |
|
71 |
2,015,860 |
19 |
391,633 |
757 |
13,079,809 |
43 |
430 |
8,772,000 |
202 |
2,995,096 |
55 |
|
82 |
2,565,460 |
16 |
388,800 |
785 |
14,721,356 |
|
  
|