(二)禅宗寺院
  1 明星山 接心禅庵 和田1661番地 臨済宗南禅寺派
 現住職30世小林月渓
 貞治2年(1363)甲斐源氏小笠原大学頭従五位下義永摂心庵主本伝徳心大居士が開基となり、洛東の端竜山南禅寺大明国師を開山に請して虚空蔵菩薩を本尊に奉じ創建開山無文和尚大禅師以来612年を経るに至り中葉敕諡正宗大興禅師を中興の祖となし、末寺4ヵ寺あったが、今は廃寺となる。
 建物は本堂、庫裏、地蔵堂、土蔵、長屋等であって、寺宝には仏像(鎌倉時代厨司入作者不詳)、長刀、衝立等がある。
 寺領は明治以前19石1斗6升、山林2町5反の寺有林を有し、2月11日境内にて、観梅会を行なう。

  2 金松山 静仙院 帯金5362番地 曹洞宗南明寺末。
 現住職31世沼沢真梁。
 正和3年(1314)鎌倉相模守貞時公観音菩薩の霊感を信じて禅寺を建立し、金松山静仙護国禅院最勝園寺と号し、観音菩薩を本尊とする。なお薬師虚空蔵、地蔵の三尊を各寺に安置し、熊野権現を祭祀して、山門および一郷の鎮守と称して仏法興隆国家盛寧を祈った。茶湯料として田地若干を寄進せられ、創立は応長元年(1311)10月26日、開山は増穂町南明寺七世林桂恵岳大和尚にして開基は帯金刑部信継公である。
 堂宇は本堂・庫裏・経蔵・総門・東司鎮守堂・十王堂・鐘撞堂などで、宝物に本尊観音像行基の作。薬師如来木喰上人の作等がある。

  3 大沢山 観立寺 上八木沢924番地曹洞宗 静仙院末。
 兼務住職沼沢真梁。
 寛永2年(1625)千安積鯨和尚(静仙14世)の開祖にして、本尊は聖観音菩薩である。