(二)身延の新民謡
1、身延八谷サ 七堂伽らん
渡る鐘の音 杉から花へ
金のようらく きらりちらりと
霞がくれの曙に 曙に
2、団扇(うちわ)太鼓がサ 峰から谷を
こえて流れて 富士川下り
珠の水晶 はらりちらりと
袖にしぶきが ぬれかかる ぬれかかる
3、蓮は白金サ 橘(たちばな)黄金
深山かえでは 濃い紅さして
風が渡れば くるりちらりと
昇るさ霧で薄化粧 薄化粧
4、花が咲きそサ 桜と梅の
宵をとかして 小雪にぬれて
御山だよりが はらりちらりと
谷のほけきよも あで競べ あで競べ
5、経が文かとサ ほらりほらりと
雲は紫 七面山へ
天の羽衣 ゆらりちらりと
かけていとしや きざはしに きざはしに
○アーア サアサ皆さん揃うたか
ここは甲州身延山
手拍子揃えて歌いましょ
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
○アーア 身延駅からバスに乗り
鉄橋渡れば大野山
徳川お万さんの菩提所
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
○アーア 総門くぐれば逢島の
宗祖南部と御対面
みのぶ御入山の開会(かいえ)かん
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
○アーア 赤い橋から五六丁
行けば身延の町つづき
旅館茶店や土産商
妙法華経身延名物買わしやんせ
○アーア 前に見あげる山門は
総本山の玄関口
三百余段の菩提梯(ぼだいてい)
のぼらんせ男坂でも女坂
○アーア 山の境内の建物は
祖師堂 釈迦堂 納牌殿
大宮殿や新書院
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
○アーア 山門左へ五六丁
行けば西谷 御廟所
御霊とどまる法の山
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
○アーア 波木井殿への御遺書に
日蓮いずこで死するとも
墓を身延に建てられよ
我が弟子はみのぶを元に来たるべし
○アーア 身延早立ち奥の院
登る山坂50丁
杖をちからにのぼらんせ
妙法華経ホンニヨイトコ思親閣
○アーア むかし日蓮聖人が
故郷をしのび安房上総
アア今も残りし父母の杉
妙法華経ホンニヨイトコ奥の院
○アーア 七面山参拝の皆さんよ
白糸滝から50丁
肝心中しやく晴雲坊
ヤレうれしい七面山に着きました
○アーア 朝の御来光拝みましょ
富士に向いし七面山
雲の浪うつ別世界
妙法華経ホンニヨイトコ身延山
1、エー 富士の白雪 朝日映えりゃ
木曽や御岳は薄化粧
合いの身延はネ 合いの身延は
この世の浄土 心とどめた法(のり)の山
さあさ身延へ 参りやんせ 参りやんせ(くりかえす)
2、エー 水晶解かした 富水を渡りや
葵(あおい)ゆかしい 本遠寺(ほんのんじ)
大野お万さまネ 大野お万さま
女子(おなご)の鏡 駿府(すんぷ)法難山開き
3、エー うちわ太鼓に 行衣も軽く
くぐる総門 街の辻
過ぎて通ればネ 過ぎて通れば
仁王さまご門 杉の木立を背に負うて
4、エー 雲の浮橋 菩提の梯(きざはし)
赤い数珠もつ 人も行く
登りや錦のネ 登りや錦の
衣を着けた 祖師の影(み)堂の美しさ
5、エー 玉と砕けた み親の姿
袖に時雨の ご真骨
浮世3世のネ 浮世3世の
罪さえ消えて うれし涙に暮の鐘
6、エー 檐(のき)のささがに 糸玉連らね
深山住いの 寂(しず)けさに
ゆるぐ木草もネ ゆるぐ木草も
流るる水も 草の庵(いほり)に妙(たえ)の声
7、エー 孝の山波 いばらを分けて
はるか小湊 安房上総(あわかずさ)
慕う心もネ 慕う心も
いつしか曇る 空に展墓(みはか)の奥の院
8、エー 西は春木の 水上づたい
楓(かえで)さんごの 七おもて
国の鎮めとネ 国の鎮めと
いく千代かけて 守る吉祥(きっしょう)大天女(にょ)
1、ハー 小野の金六さんは甲州の生まれ ハー ソウヅラニ 五十路(いそじ)花咲く身延線(以下くり返し) ハンデ エベエベ ゴッチョデゴイシタ ソコデヨ金六さんの大黒さんは いつもにこにこしてござるしてござる 2、ハー おらが国さの男といえば ハー ソウヅラニ ねずに苦労の人柱 (くり返し) 3、ハー 山を掘るうち トンネルあけて ハー ソウヅラニ 海の駿河と山の幸 (くり返し) 4、ハー 見ろよ 88キロ出かした人は ハー ソウヅラニ 月にささやく風情あり (くり返し) 5、ハー 待てよ甲斐性(かいしょう)もんだよ岩下清水(いわしたしみず) ハー ソウヅラニ いつか川面(かわも)に光る浪 (くり返し)
1、咲いた咲いたよ 蓮華の花が 妙法蓮華の花ざかり ソレ 南無妙法蓮華経(くり返し) 2、花の下にも善男善女 祭り音頭のにぎわしさ 3、法華ご守護の神々さまへ 国土安穏祈りましょう 4、老いも若きも 幼子までも みんな揃って 唱えましょう 5、利益無量の 妙法蓮華 広くひろめん世の人に
1、アー 身延よいとこドントまわりが山で ドンドン 中にゃ法華経の 中にゃ法華経の鳥が鳴く サテ ドーントナソレ ドドンガドン ドーントナソレ ドドンガドン 2、アー 一の総門腰かけ石は……… …今も昔を しのぶ石 3、アー 門を入れば太平橋の……… …上は稲荷の 紅葉山 4、アー 町を過ぎれば鶯谷の……… …杉の木立に 仁王門 5、アー 280のあの石段は……… …雲にかかる 虹の橋 6、アー 鐘がなります身延の鐘が…… …なればお山も気が晴れる 7、アー 伽らん七堂目もあざやかに…… …なおも桜は 四季に咲く 8、アー 奥の院から山下見れば……… …身延七谷にゃ 緋の衣 9、アー 祖師が9か年草庵跡を…… …しのぶ涙で 苔がむす 10、アー 見たか聞いたか千本杉は…… …三千世界の すすはらい 11、アー 女人禁制お万の滝に…… …清め羽衣着て登る 12、アー 朝の身延の七面山は…… …富士の山から旭が昇る 1、身延好い所ナー チョイト 富士川眺め ヨイショヨイショナー 山も谷間も 山も谷間も ホー法華経(以下くり返し) ヨイショ ヨイショナー ほんに観光の身延山サ サヨイショ ヨイショナー 2、身延好い所ナー チョイト 枝垂の桜 昔忘れぬ 昔忘れぬ色に咲くサ (くり返し) 3、身延好い所ナー チョイト かじかが鳴いて 身延河原や波木井河原の夕涼み (くり返し) 4、身延よい所ナー チョイト 四方の山に 秋は紅葉の秋の錦の紅葉狩り (くり返し)
1、遠く文永 ![]() 波木井の郷の西谷に 下化衆生(げけしゅうじょう)の法の場(にわ) ひらけてここに700年 身延の礎久遠にあまねく 南無や日蓮大菩薩 2、身延のみ山八つの谷 かの寂光の浄土とや 無二亦無三一乗の 諷経の声はこだまして 曼陀羅の光行末を照らす 南無や日蓮大菩薩 3、芬陀利峰(ふんだりほう)を仰ぎ見て 七面山の御来光 見仏聞(もん)法 結縁(けちえん)の 妙なる法のお題目 国安かれとぞ民草ゆたかに 南無や日蓮大菩薩 4、たちわたる身のうき雲も 晴れて身延の月澄みて 実相の風あらたかに 上求(じょうぐ)菩薩の花台(うてな) 日本第一法華の開山 南無や日蓮大菩薩 1、立ち渡る身の浮雲も晴れぬべし 妙のみのりの鷲の山風 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 2、東にあたりし安房(あわ)の国 小湊浦に誕生まします 3、ふたおやはなれて後のため 清澄寺にて出家(しゅっけ)まします 4、だいぼんてんはあまくだり しょぐわんぐそくのちえを与へる 5、旭にむかい題目を 声ほがらかに独唱なさるる 6、八州(しゅう)九州(しゅう)のよこしまな 法(のり)のみだれをお説(と)きなされし 7、命にかえたる安国論 時の天下をいさめまいらす 8、松葉が谷(やつ)の御法難(ごほうなん) 白猿(しろざる)きたりて救いまいらす 9、御弟子(みでし)日朗由比(ゆい)が浜 かいもて打(う)たれ磯(いそ)に倒(たお)るる 10、まないた岩の浪(なみ)の中 船守(ふなもり)きたりて助けまいらす 11、小松ケ原の御難(ごなん)にて みけんにさんずのきずをこうむり 12、しをきにひかるる聖人に 供養(くよう)なさんと餅を棒(ささ)ぐる 13、とがなき日蓮竜(たつ)の口(くち) 太刀(たち)は砕(くだ)けて走る稲妻(いなづま) 14、本間(ほんま)が庭の梅が枝(え)に 明星天子下(みょうじょうてんしくだ)りたまいし 15、佐度の御(ご)難の風荒れて 現(あらわ)れ残る浪題目(なみだいもく) 16、とう人もなき塚原に 雪を食事となされ給(たま)えり 17、難にあうても国のため 四かの格言(かくげん)ひろめたまうぞ 18、霊夢(れいむ)に感じ時宗(ときむね)は 高祖(こうそ)の罪を赦免(しゃめん)なしける 19、こむろさんにて問答(もんどう)し 法論石(ほうろんせき)と今に残れり 20、祖師(そし)にすすめし毒饅頭(まんじゅう) 善智法印化導(ぜんちほういんけどう)せられし 21、七面天女現われて ようごうせきの由来(ゆらい)残れる 22、9年の間50町 ふるさとはるかに拝(はい)し給(たま)えり 23、旗曼荼羅(まんだら)のけんしょうに 蒙古(もうこ)の怨敵(おんてき)退治されけり 24、死後(しご)しろしめて大聖人 経一麿(きょういちまろ)に遺言(ゆいごん)せらるる 25、ご五百年の春をえて 一天四海皆帰(かいき)妙法 26、はるばると参る道こそ身延山 妙(たえ)のみのりの花ぞ開ける 1、一乗流布(るふ)のこの御経(おんきょう) 皆人(みなひと)たもてば仏(ほとけ)なりけり 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 2、三悪道(さんなくどう)をまぬがれて 釈迦(しゃか)の浄土へゆくぞ嬉(うれ)しき 3、後500歳(ごごひゃくさい)にいたるまで 祖師(そし)の利勝(りしょう)は日々にまします
1、花咲き匂うルンビニー 園(その)ほがらかに仏(ほとけ)うまるる 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 2、薫(かお)りめでたき梅檀(せんだん)の
4月8日の春の産声(うぶごえ) 3、天にも地にも我ひとり 指ぞささるる相尊(すがたとう)とし 4、マカダの国の王子(おうじ)さま 後(のち)には尊きお釈迦(しゃか)さまなり 5、身(み)は一天(いってん)の大君(おおぎみ)と 生れ給(たま)いて辛苦(しんく)の御修行(ごしゅぎょう) 6、千載(せんさい)給仕の御艱難(ごかんなん) 菜(な)つみ水汲み薪(たきぎ)とりまで 7、一切衆生(いっさいしゅじょう)を救いける 仏陀世尊(ぶっだせそん)と世にぞ仰(おお)がる 8、霊山会上(りょうぜんえじょう)は二処三会(にしょうさんね) 法華経説(と)かれて付属せらるる 9、上行菩薩(じょうぎょうぼさつ)は御(おん)つかい 五濁(ごじょく)の闇(やみ)を照(てら)し給(たま)えり 10、立ちわたるみのうきぐももはれぬべし たえぬみのりの鷲(わし)の山風
一ツニハ ひとびとの歓(よろこ)び溢(あふ)るマカダ国 ルンビニー園(えん)に王子誕生 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 二ツニハ ふたおやの浄飯摩耶(じょうばんまや)の愛の手は 天より高く地より久(ひさ)しき 三ツニハ 身にそそぐ甘露(かんろ)の智水(ちすい)花吹雪(ふぶき) シツタ太子は仏なりけり 四ツニハ 四方(よも)に歩(ほ)を運(はこ)ばせ給(たま)いて仰(おお)せらる 天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん) 五ツニハ いつの世に生老(しょうろう)病死のくるしみを 救わんとてか出家(しゅっけ)せらるる 六ツニハ むつとせの艱難辛苦(かんなんしんく)の御(おん)修行 金剛宝座(こんごうほうざ)の暁(あけ)の明星 七ツニハ 七文字(ななもじ)の御題目(おだいもく)を覚(さと)られて 法華経八巻御説(はちまきおと)き遊(あそ)ばす 八ツニハ 八(はち)ヶ年(ねん)六万九千三八四(くせんさんぽつし) 一一文文(いちいちもんもん)訓(さと)し給えり 九ツニハ 久遠(くおん)なる平等大慧(びょうどうだいえ)の法華経 いかなるひとも仏となりぬる 十ニハ 十方(じつぽう)の分身諸仏来臨(ふんじんしょぶつらいりん) 霊山会上(りょうぜんえじょう)に花ぞ開ける
一つには ひたすらに国家の難(なん)を救わんと 立正安国叫(さけ)びたまえり 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 二つには 両親(ふたおや)をいの一番に導(みち)びかる 尊きこころ御法(みのり)めでたし 三つには 三度(みたび)なる諫暁(かんぎょう)さえも聞入れぬ 幕府をしりえにみのぶへはいらる 四つには よもすがら読誦経典法談(どくじゆきょうてんほうだん)は 三間四面の法(のり)の草庵(いほり)よ 五つには いつの日も50余丁の山坂を 登り給(たま)いて故郷拝(こきょうおが)まる 六つには 無明(むみょう)なる迷いの雲もはれぬべし 妙(たえ)の御法(みのり)の鷲(わし)の山風 七つには 七文字(ななもじ)の御題目(おんだいもく)の御(ご)修行は 千載(せんさい)給仕の六老僧(ろくろうそう)なれ 八つには 八(はち)の巻(まき)法華経読誦(どくじゆ)の御功徳(おんくどく) 流るる水もゆるぐ木草(きぐさ)も 九つには 九(きう)ヶ年月光淡(つきかげあわ)き御草庵(ごそうあん) くらし給える日蓮聖人 十には とことわにみたまとどむる身延山 皆帰(かいき)妙法は久遠寺なりとぞ
一つには 人々(ひとひと)のとまどい迷う末の世に 誕生なされし宗祖(しうそ)日蓮 南無妙法蓮華経 (以下同じ) 二つには 20年八宗九宗(しうくしう)をきわめられ 仏の本懐(ほんかい)遂に悟(さと)らる 三つには みよしのの桜の花のいやさかを 国(くに)つ御神(みかみ)に祈(いの)り給(たま)えり 四つには 世を救ふ四恩報謝(しおんほうしゃ)の御題目(おだいもく) 旭(あさひ)ケ森より音吐朗々(おんとろうろう) 五つには 伊豆の海荒波寄(よ)する離れ島 まないた岩に御流罪(おんるざい)とは 六つには 無礼(ぶれい)なる鎌倉武士(かまくらぶし)のふるまいに 法華経五の巻(まき)打たれて喜ぶ 七つには 波荒き七里が浜の磯伝(いそづた)い 引かれ引かれ竜(たつ)の首の座(ざ) 八つには 八幡(やはた)なる神の御告(みつ)げに驚きて 執権時宗赦免状書(しつけんときむねゆるしじょうか)く 九つには 苦しさも楽しく暮す御草庵(ごそうあん) 流るる水もゆるぐ木草(きぐさ)も 十には とことわにみたまとどむる身延山 一天四海皆帰(かいき)妙法 |