四、耐久消費財

 身延町における「主な耐久消費財の普及状況」は、表4のように26品目について全国保有率と身延町内の4地区それぞれの保有数をあらわし、地区ごとの世帯数も下段に記した。
 表5は、全国の普及状況と身延町のそれとを比較しやすいようにグラフであらわした。
 この表にみられるように「主な耐久消費財の普及状況」は、洋服ダンス・オートバイ・テープレコーダー・湯わかし器・乗用車・カラーテレビなどのように全国の保有率を上まわる品目と、扇風機・自転車・石油ストーブ・カメラ・掃除機・ベッド・応接セット・換気扇・ピアノ・撮影機などのように全国の保有率を下まわる品目とに大別される。
 オートバイ・乗用車のように交通機関として利用される品目の高い普及率は、農山村地域の特色であるといわれている。こうした傾向は、社会的資本投資の補充を、個々の住民が補っている代表的な私的消費であると考えられる。
 身延町の消費生活構造は、全国の消費生活構造に近いパターンを示していると考えられる。このことは農山村の都市化現象を示し、消費生活上意欲先行型といわれている。

      身延町における主な耐久消費財の普及状況

表4                           昭和43年10月(中学生調べ)
身延町地区別保有数 品目 身延町の
保有数
身延町の世
帯数に対す
る保有率%
全国保有率
    %
下山地区 身延地区 豊岡地区 大河内地区
504 985 287 718 テレビ(白黒) 2494 91.6 96.4
418 873 273 627 電気洗たく機 2191 80.4 84.8
401 801 228 626 ミシン 2056 75.5 82.6
489 823 250 665 洋服ダンス 2227 81.8 80.0
361 814 241 588 冷蔵庫 2004 73.6 77.6
303 764 185 503 扇風機 1755 64.4 75.6
388 693 200 566 ラジオ 1847 67.8 72.1
385 569 142 399 自転車 1495 54.9 70.5
192 476 75 232 石油ストーブ 975 35.8 62.9
274 603 117 358 カメラ 1352 49.6 59.8
289 464 120 335 掃除機 1208 44.3 53.8
181 387 73 238 ステンレス流し台 879 32.3 32.0
100 458 75 213 じゅうたん 846 31.1 29.5
237 443 176 298 スクーター・オートバイ 1154 42.4 28.9
128 314 50 198 テープレコーダー 690 25.3 24.5
102 254 46 146 ステレオ 548 20.1 24.1
121 287 76 179 ガス湯わかし機 663 24.3 21.4
116 242 69 153 食堂セット 580 21.3 21.0
55 183 16 108 ベッド 362 13.3 18.7
32 130 7 41 応接セット 210 7.7 17.8
81 171 11 125 オルガン 388 14.3 15.9
49 144 17 66 換気扇 276 10.1 14.5
129 296 65 118 乗用車 608 22.3 13.1
28 134 25 57 カラーテレビ 244 9.0 5.4
14 31 1 8 ピアノ 54 2.0 5.2
7 43 3 12 撮影機 65 2.4 5.1
508戸 988戸 400戸 828戸 世帯数 2,724   43.2月末経
企庁調べ


身延町内における1戸あたり電力使用量調査
表6   昭和43年8月末東京電力身延営業所資料による
                   (単位KWH)
      区分
年次
下山地区 身延地区 豊岡地区 大河内地区
43年 9月末世帯数 564戸 1014戸 408戸 919戸
41年 2月末 〃 66.7KWH 10.6KWH 57.4KWH 79.6KWH
42年 8月末 〃 74.4 111.7 60.3 83.8
42年12月末 〃 78.3 123.1 64.9 90.5
43年 8月末 〃 85.6 130.4 73.7 99.2
契約口数 558 1412 365 100.7
(注)豊岡・下山地区の契約口数は1戸あたり10Aにならない。
  身延・大河内は1戸あたり10A以上の契約になる。