印刷10月3日 歴史講演「裏切り者ではなかった穴山梅雪の真実」

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歴史講演「裏切り者ではなかった穴山梅雪の真実」

講  師 歴史小説家 江宮隆之先生
日  時 令和3年10月3日(日)
     13:30~(受付13:00~)
会  場 身延町総合文化会館大ホール
     (山梨県南巨摩郡身延町波木井407)
参 加 費  無料
定  員 100名
申込方法 下記事務局へ電話でお申込みください。
     身延町教育委員会生涯学習課
     ℡0556—20—3017
     (受付は平日8:30~17:15)

※ご来館時はマスク着用・検温など新型コロナウィルス感染症拡大予防対策にご協力をお願いいたします。また、感染症拡大状況により内容の変更などがある場合は、身延町ホームページにて周知します。

《講師からのメッセージ》
 2021年は、武田信玄生誕500年という節目に当たります。こうした節目の年こそ、長い時間「武田家を裏切った不忠臣」とされてきた穴山信君(梅雪斎不白)と小山田信茂の名誉を挽回する時ではないでしょうか。すでに、小山田氏の山城・岩殿山のあった大月市では「小山田信茂の名誉回復」に取り組んでいます。もしも小山田氏の名誉回復だけが先走ってしまったら、穴山氏は永遠に「裏切り者」「敵役」といった立場のまま将来までその「悪名」を遺し続けます。これは、地域の歴史・文化、住民にとっての誇りを失わせ、観光・産業への悪影響も考えられます(せっかく中部横断自動車道が全通し、リニアが通過する地域なのに、地域の誇りが失われたままになる可能性もあります)。そこで、身延町・下山地域が中心になって「穴山氏・梅雪」の名誉回復に取り組むべきです。その際には、身延町のみならず、隣接する南部町、早川町、さらには富士川町や市川三郷町など峡南地域(戦国時代には河内領といわれた地域です)を巻き込んでのプロジェクト、あるいは運動にしていったらどうでしょうか。そうしたことを意識・意図しての講演「裏切り者ではなかった穴山梅雪の真実」を企画しました。
 実は穴山氏は、甲斐源氏武田氏と同様の血筋にある戦国時代の大きな勢力の一つでした。しかも隣国駿河・今川氏との交渉・守備という武田家にとって大役を担う重要な存在であり、武田家の御一門衆の重鎮でもありました。従って、信虎・信玄の二代にわたる婚姻政策で太い絆を持ち続けた名家でした。ある意味では、諏訪(武田)勝頼以上に、甲斐源氏意識も強く、武田のDNA意識も強い一族です。
 天正十年(1582)三月に勝頼主従が天目山・田野で自刃して「武田家滅亡」になった訳ではありません。穴山氏が残ったことで、その後も武田家は継続します。本当に(名目的であったとしても)武田家が消滅するのは、慶長八年(1603)九月のことです。つまり関ヶ原合戦後に徳川家康の天下になってから八年間も「武田家」という家名は続きました。それも、ひとえに穴山信君(梅雪)がいたからこそであり、穴山家の存在の大きさは、現在私たちが考える以上のものであったということです。そうした話をしたいと思います。

お問い合わせ

担当:生涯学習課
TEL:0556-20-3017(直通)