印刷【国指定文化財】木造不動明王坐像

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指定日:昭和58年6月6日
所在地:八日市場539
所有者:大聖寺
時 代:平安 藤原期
大きさ:像高84.4cm

概説

 大聖寺は長治2年(1105)新羅三郎義光の開基の古刹で、開山は実応阿闍梨法印。承安元年(1171)に加賀美次郎遠光が宮中守護の功績により、当時清涼殿に安置されていた弘法大師作の不動明王像を下賜され、曽祖父ゆかりのこの寺にお祀りした。本尊の不動明王は、桧材の一木造りで、像高84.4cm、莎髻を戴き、両眼を大きく瞋らせ、上歯牙で下唇を嚙む等身大の坐像である。細部まで一木で仕上げようとする意識が強く、総体に古様を踏襲している。丸みを帯びたお顔やふくよかな体軀の肉取りは、藤原期の優雅な趣を示し、過不足のない体軀の奥行きと、左右に張った両足の拡がりなど安定感がある。もと青不動であったと考えられ、今も条帛には彩色をとどめ漆箔の上に墨で描いた唐草文を見ることができる。平安時代後期の都ぶりを示す、特に美作として注目される仏像である。

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