印刷【国指定文化財】紙本墨書本朝文粋

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指定日:昭和31年6月28日
所在地:身延3567
所有者:久遠寺
時 代:鎌倉 建治二年(1276)
大きさ:縦28.8cm、長さ約19m
備 考:『身延山久遠寺史料調査報告書』

概説

 巻子本であって、全14巻の内第一巻を欠き13巻が現存している。本朝文粋とは、9世紀から11世紀にかけて活躍した我が国の学者・文人など名家の詩文や、天皇の詔・勅書または官府・意見封事・対策・表・奏状・序・願文など、当時の漢文学や、国事に関する歴史的資料を分類収録し、平安中期の貴族の気質や教養などを知る上の貴重な文献である。本朝文粋を編さんしたのは十一世紀の儒学者である藤原明衡で、この身延本は、北条時頼所持の相州御本をもとにして、文永年間写本したものを、また数年後の建治二年に鎌倉二階堂にあった永福寺において書写したものである。奥書に「建治二年閏三月十六日、於二階堂杉谷、/令書写畢」とある。第十三巻は法会に読まれる願文が収録されていることから寺院では徴用され、鳥の子紙がつかわれているが、他は楮紙である。

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