印刷【県指定文化財】版本法華経

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指定日:昭和48年7月12日
所在地:身延3567
所有者:久遠寺
時 代:室町 明景泰二年(1451)
大きさ:縦31.7cm、横12.1cm

概説

 本経は鳩摩羅什の漢訳(406年)で、提婆達多品を欠く7巻27品の完本である。中国明代の景泰2年(1451)の翻刻本を舶載したもので、厚さは巻によって異なるが、2.8cmないし3.5cm。各巻の奥書には、「寄進 甲州身延山久遠寺/従四位下武田大膳太夫兼信濃守源晴信(花押)/天文十九庚戌年十一月念四日」とあり、とくに第一巻の花押は鮮明である。この年(1550)は、晴信が信州の林城・戸石城などを中心として重大な作戦を展開した年であり、4月20日には甲斐国一之宮浅間神社(笛吹市一宮町)へ後奈良天皇宸筆の「紺紙金泥般若心経」一巻(重要文化財)を奉納している。同年に久遠寺へこの法華経が納められたことは、晴信の同寺への信仰を示すものであるが、戦国大名の社寺に対する政策の一例と見ることもできる。

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