印刷【県指定文化財】版本法華経付黒漆塗桐経箱

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指定日:昭和52年5月23日
所在地:山梨県立博物館
所有者:南松院
時 代:室町 応仁元年(1467)
大きさ:縦16.0cm、横5.7cm、厚さ1.5cm~1.8cm

概説

 この経巻は紙本折本仕立、「応仁元年丁亥(1467)八月十五日」の奥書がある。経箱は黒漆塗桐材で印籠蓋つきである。南松院開基の葵庵理誠尼は、武田信虎の息女で信玄の異母姉に当たり、穴山信友に嫁して武田・穴山両家をむすぶかすがいの役を果たした。仏門に帰依して禅に励み、読経を事とした。この経巻は理誠尼遺愛の品で、婦人所持の小型本としてめずらしいものであり、戦国時代の貴婦人の宗教生活をしのぶことができるばかりでなく、経箱の構造意匠の優雅緻密さは当時の工芸品としても傑作とみられる貴重な資料である。

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