指定日：昭和41年3月1日

所在地：切石

所有者：個人

時　代：文政九年(1826)

大きさ：

備　考：

概説

 風流人海は文政9年(1826)峡中の文人墨客の和歌・俳句・漢詩・花鳥風月の絵画等を編集した木版文芸同人誌であり、文化・文政時代に開花した峡中文化をしのぶ貴重な史料である。この書には、天野覃の序文がある。天野覃は『甲州儒医列伝』にも記されている有名な漢学者であり、俳諧にも長じ『杉林集』(天明7)『南岡庵集』(享和3)などがある。明和4年(1767)切石村に生れ、初名を覃治(のぶはる)字は葛夫(かっぷ)、号を中谷(ちゅうごく)・蜀山(しょくざん)と称した。16歳で京都に赴き、医学・経書を学び、寛政11年(1799)当時開設された甲府医学所の教授に任ぜられ、傍ら甲府三日町に塾を開き、門弟干余を教え維新前後の名士を輩出した。文政11年62歳没、甲府の信立寺に葬る。