印刷おやこ金山探険隊とは

 

主旨・目的 

「こども金山探険隊~戦国時代へタイムスリップ~」として2000年からスタートしたこの事業は、20回目に「激烈☆おやこ金山探険隊」に名称変更いたしました。

 今から500年前の戦国時代に湯之奥金山で行われていた鉱山作業の歴史事実に基づいて、現地の金山遺跡の見学から始まり、粉成作業、比重選鉱(汰り分け)、灰吹きという、展示室で紹介している戦国時代の鉱山での作業を、自分で、「見て」「触れて」「体験する」という一連の作業を体験します。これらを通して、当時の先端技術者であった「金山衆」という技術集団の産金技術や生き方に触れ、楽しみながら鉱山作業を理解して、この経験を通して、子供たちの自然や科学に対する知識の高揚に役立てることを目的としたイベントです。

 


現地遺跡見学 

 遺跡見学では湯之奥金山(中山・内山・茅小屋)のうち中山金山遺跡(国指定史跡)または茅小屋金山遺跡を見学します。

 毛無山は山梨百名山の1つとしても有名で、年間多くの登山者が登る山でもあります。中山金山遺跡はちょうど山の中腹で、現地までは片道約1時間30分ほど。登山道は結構急斜面ですが、登った後の達成感と、そこに広がる歴史の現場を実際に目にする感動は、登ってみないと分かりません。登山道変わって、茅小屋金山遺跡までは片道およそ40分ほどです。

 博物館のある下部温泉郷の道を車で20分ほど進んでいくとある「湯之奥集落」を、さらに進むと山梨と静岡の県境に位置する「毛無山(1964m)」があり、その中腹(1650m付近)に、戦国時代から江戸時代にかけて操業していた湯之奥・中山金山遺跡があります。

  金山の歴史や作業を理解するため、遺跡の現場まで自分の足で登り、“金山探険隊”として、採掘跡や坑道、作業場や居住域、石塔など、金山跡を隅々まで現地学習します。

 


粉成(こなし)・汰り分け(ゆりわけ)体験

 何もしない状態では硬い鉱石も、火で加熱すると、手で簡単に割れるくらいにもろくなります。それを「かなづち」で細かく小さく砕き、挽き臼で粉状態にします。小麦粉と同じくらいに細かい粉になった鉱石の中に微細な金粒が入っている(かもしれない)ので、それを丹念に水の中で汰り分けます。鉱石を砕いて採集する金は、砂金採り体験室に入ってる金粒とは大きさもまったく比にならない程小さく、まさに“粉”。そんな小さな金を見つけたのは過去に数人。それくらい、金は少量なのです。それもそのはず、1tに1~2gくらいしか入っていないのですから。


灰吹(はいふき・はいぶき)、甲州金作り

 汰り分けられた自然金には多くの不純物が含まれています。それを取り除き、金の純度を高めるために行う作業を「灰吹」といいます。灰吹皿に敷き詰めた灰の上に、和紙でくるんだ自然金と鉛を置き加熱します。液体状になった合金の表面に空気を吹き付け酸化させます。金に含まれていた不純物は鉛と混ざり合い、灰吹皿に敷きつめた灰の中に染み込んでいきます。その結果、純度の高い金粒だけが、灰の上に残ります。

 この過程を経てえた金粒を、圧延(叩き伸ばし)、打刻で、自分だけの”オリジナル甲州金”を作ります。作る前に、甲州金の刻印の法則や意味を理解すると、よりいいものになるでしょう。

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