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犬と家族で身延町へ移住、役場と商工会の支援で活版印刷を創業 - 身延町移住者インタビュー


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ページID:0006459 更新日:2026年2月20日更新 印刷ページ表示

岡城直子さんの写真東京都杉並区から身延町へ移住
東京都杉並区のご自宅で、ご両親と弟さんと暮らしていた岡城直子さん。母親の介護が必要になったのを機に仕事を辞め、大好きな活版印刷での起業を念頭に、広い作業場を求めて地方移住を決意。2021年の夏、家族と愛犬と共に移住しました。

移住までのいきさつを教えてください

好きなことが仕事にできると、起業を意識。
広い作業場を求めて地方へ

私は印刷が好きで、もともとは活版印刷の会社で印刷機のオペレーターとして働きながら、廃業する印刷屋さんから譲ってもらったり、使わない機械を紹介してもらったりして手に入れた印刷機を使って、副業というか、趣味の延長のような感じで、友人がデザインしたカードを自宅で印刷してイベントなどで販売してもいました。

活版印刷の作品それが、母の介護が必要になったので、会社を辞め、自宅で印刷の仕事をするようになったんです。自分たちの商品を制作することと、通常の印刷受注の両方をしていたところ、お仕事を結構いただけたので、次第に、自分の好きなことができて楽しいし、これだったら働きに行かなくてもいいかなと思うように。それで、地方に移住して広い作業場が確保できれば、機材も増やして、印刷業としてやっていけるかなと考えたのが、移住を決めた大きな理由です。

身延町との出会いは、移住先を探して参加した「移住フェア」。
紹介された「移住体験ツアー」に参加することに。

正直移住先はどこでも良かったんですけれど、山梨に母の実家があり知人がいるということと、首都圏とのアクセスが良いことから、山梨県内で探すことにしました。

身延町を知ったのは、有楽町の交通会館で開催された山梨県の移住フェアです。山梨のほとんどの市町村が参加されていたので順番にお話を聞いていると、身延町から翌月の「移住体験ツアー」を紹介されました。実は、そのときまで身延町のことは全然知らなくて、知り合いが結構移住していた富士五湖地域や北杜市を検討していたのですが、タイミングよくツアーがあったのに加え、「和紙の産地があるなら、もしかしたらお仕事につながるかも」という期待もあって、その場で申し込みました。身延町では、ユニークな体験ツアーを実施していて、そのときのツアーは、あけぼの大豆の味噌作りや西嶋和紙を使ったワークショップがありました。ツアーはとても楽しく、ホストとして参加されていた西島和紙工房さんが活版印刷をご存知で、私の仕事に興味を持ってくださったこともあって、身延町に対する印象はとても良かったですね。

コロナ過でままならなかった移住先探し。
対応の良かった身延町への移住を決意

移住体験ツアーに参加した数週間後、新型コロナウイルスの蔓延が始まりました。本当は、他にもいろいろ見に行ってから移住先を決めようと思っていたんですが、外出がままならなくなり、移住関係のイベントもなくなってしまいました。一方、身延町役場の担当者はそんな状況にもかかわらずとても手厚く対応してくださっていたので、身延町に移住する方向で準備を進めることに。空き家バンクを利用しての家探しに1年ほどがかかりましたが、犬が飼えて、家族で暮らしても十分な広さがあって、敷地内に工場にできそうな別棟もある物件がようやく出てきたので、2021年の夏に、両親と仕事を手伝ってくれている弟と一緒に、愛犬を連れて移住してきました。

岡城直子さんがしゃべっている様子

お仕事についておしえてください

移住してすぐ、印刷業を起業
ブランドを立ち上げ、多忙な毎日

富士川クラフトパーク内に工房を設け、2023年の秋に、「knoten letterpress(クノーテン レタープレス)」を創業し、翌年4月から本格営業を始めました。メインの仕事は、友人と展開する雑貨ブランド「knoten letterpress(クノーテン レタープレス)」。彼女のデザインを私が活版印刷し、ポストカードや、シール、便箋、ギフトカードなどにして、いろいろなイベントに出展して販売したり、全国の雑貨屋さんや文房具屋さんに納品したりしています。また、本当に1~2割ぐらいですが、活版印刷の注文もお受けしています。最近は、商品を作る仕事が忙しくなっていてなかなか追いつかないので、受注については、以前からお付き合いのあるお客様からの依頼とか、直接問い合わせがあった場合くらいしかお受けできていないのですが…。

工房では、土日祝日限定にはなりますが、ショップもオープンしています。公園に遊びに来た方がふらりと立ち寄ってくださったり、ごく稀にですが、遠くからわざわざ来てくださる方がいらっしゃったりします。

クノーテン レタープレスのロゴ

起業の裏にあった身延町のサポート

起業の準備として、移住に先駆けて、身延町役場の紹介で、身延町商工会がやっている創業塾に通いました。創業塾では、専門の先生から、今までふわふわとやっていた趣味のような仕事を、ちゃんと事業としてやっていくためのいろいろな知恵を授けていただき、事業計画書の作り方から、補助金の申請まで、丁寧に教えてもらえたので、とても役に立ちました。また、起業する際には、身延町の創業補助金をいただいて、開業資金にしました。創業補助金は、身延町に住民票があること、身延町内で起業することなど、いくつか条件があったと記憶しています。移住してすぐ起業し、事業を始めることができたのは、そういった後押しがあったからだと、今も感謝しています。

活版印刷をしている様子

助けてくれた知人の存在

引っ越した当時は、1〜2年ほどは自宅のガレージを作業場として使用しており、手狭で不便さはありましたが、そのまま仕事を続けていました。
もう少し広い作業スペースはないかと探し続けていたところ、さまざまなご縁が重なり、富士川クラフトパークに工房兼お店としてスペースを紹介していただき、お借りすることができることになりました。
実際に借りてみると、一人で使うには少し広いと感じる空間でした。そこで以前からお付き合いのある南アルプス市のデザイン教室の方と昨年の4月からスペースの一部を共有するようになりました。
活版印刷に興味を持ってくださり、デザイン教室のカリキュラムにはがきを印刷する体験を取り入れてくださったり、一緒にプロジェクトをやることもあります。

キッズデザインクラス

コロナ過で仕事が滞っていたことも、
移住にとってはプラスに

実は、私たちはイベントに出展して商品を紹介し、注文を取ったり直接販売したりすることが多いんですけれど、コロナが蔓延して以降、そのイベントが開催されなくなってしまい、大変な時期がありました。特に移住の前後は、仕事がほとんど無くなってしまって、不安に苛まれたこともありました。

でも、今考えてみると、移住して新しい生活を作っていく時期に仕事に追われなかったというのは、悪いことばかりではなく、逆にのんびり構えられて良かったのかなとも思います。引っ越しも、自分たちでトラックを借りて、何度も行き来しながら印刷機を運んだのですごく大変だったし、時間もかかってしまったので。

活版印刷の機械

身延町での暮らしはいかがですか?

適度な距離感のなかで、快適に暮らす

岡城直子さんがしゃべっている様子2今、私達が住んでいる集落は、8軒しかないとても小さな集落です。こちらへ来てしばらくは、敷地内にあるガレージで仕事をしていたので、ご近所の方からは「どこかへ出勤している様子もないし、何をしている家族だろう?」と不思議に思われていたかもしれませんが、Uターンされた方が多いからか、割とすんなりと受け入れてくださったんですね。地域の人がいろいろと言ってきて煩わしいというようなことも一度もありませんし、集落の行事とか作業もあまりないので、適度な距離感を保ちながら、自分たちのペースで過ごすことができています。

介護が必要な母の暮らしも
身延町役場の手厚いサポートで安心

母は今、下部にあるデイサービスに通っています。役場で紹介してもらったケアマネージャーさんが手厚くサポートしてくださって、必要な施設も全部紹介してくださったので、とてもありがたかったです。地縁も血縁もない地域に、介護が必要な母を連れてきて大丈夫だろうかという不安が少なからずあったのですが、役場の方が最初から親身に話を聞いてくださり、信頼できるケアマネージャーさんを紹介してくださったので、安心していろいろなご相談ができています。

身延の魅力とは?

今の暮らしができていること、
それ自体が身延町の魅力

はじめて来た時は、自然がいっぱいあって、景色がよかったので、理想に近いと感じました。私は、犬とのんびり遊べるような場所が良かったので。でも、お店はないなぁと感じました。ファストフードはないし、コンビニエンスストアも少ないですよね。ただ、実際に住んでみると、不便だなぁと思うことはあまりありませんね。

コロナ禍もあって、いろいろと見比べて検討して選ぶということができなかったのですが、結果的に、身延町と出会い、広い家が見つかって、ここも紹介していただきました。しかも、自宅からここは結構近いので、かなり運が良かったと思っています。最初は自宅でやろうと思っていたからここを借りるのは想定外でしたけれど、すごくいい空間ですよね。広いし、明るいし、公園内にあって窓から見える景色もいい。実は公園内に広いドッグランがあって、犬も連れてきていいと言っていただいているので、犬たちにとっても楽園なんです。

クラフトパーク

こちらへ来てから、起業して、工房を設けて、仕事をして…と忙しかったので、地域の方と交流する機会はあまりないのですが、最初に参加した移住ツアーでお会いした先輩移住者と、今はお隣さんでもある西島和紙工房さんとはその後も交流が続いていて、何かと助けていただくことが多いです。 

改めて考えると、いろいろな方に助けられながら、今の暮らしが成り立っていることを感じます。そういうあたたかさがあって、こういう暮らしができること、それ自体が、身延町の持つ魅力と言えるのではないでしょうか。

メッセージ

移住を考えるなら、まずは現地に行ってみる、気になる地域に実際に足を運んで、知り合いを作るというところから始めると良いのではないでしょうか。私は、移住体験ツアーに参加したことで、身延町役場の担当者だけでなく、先輩移住者や地元の西島和紙工房の方から直接話を聞ける機会も得られたので、いろいろなことをすごくたくさん教えてもらえて、とても参考になりました。それで、移住の実現にかなり近づいたかなと思います。 

移住フェアに参加するのもいいと思います。自分で情報を集めるのは大変ですが、移住フェアだと複数の市町村が参加していることが多いので、いろいろなまちを比べることができますから。

あとは、車の免許ですかね。免許は大事ですね。東京に住んでいたときは必要なかったのでうっかりしていたのですが、こちらへきてから取得するまでとても不便でした。

身延町は自然が豊かなので、犬を飼っていたり、自分で仕事をされていて時間が自由になる方だと、すごく楽しめるんじゃないかと思います。なので、そういう方に移住していただけたら嬉しいですね。結構移住者同士仲良くなったり交流したりという話をよく聞くのですが、私の場合は仕事が忙しすぎて、そういう機会もあまり持てないまま今に至っています。毎月出張ばっかりで、仕事が終わらなくて…。だから今ゆとりが全然ないんですが、これからは少しずつでも時間を作り、地域の方との交流も楽しんでいけたらと思っています。

岡城直子さんの写真2